つい先日読んだ「しゃべれども しゃべれども」の佐藤多佳子が、2007年本屋大賞を取った「一瞬の風になれ」を読み終えた。
Kaze 本屋大賞は、全国の書店員が一番売りたい本として選ぶもので、この本は吉川英治文学新人賞もとっている。3部作からなり結構なボリュームだったが、賞を取ったぐらいだから、やはり面白く一気に読んでしまった。
高校の陸上部が舞台なっており、サッカーで燃焼できなかった主人公が、スプリンターの才がある親友と、紆余曲折しながら100mを競い、4継(400mリーレー)で連帯し、県予選、インターハイと目指すストーリーになっている。
青春小説ぽいが、中年が読んでも十分に面白い、しかも、この作家なに者だというくらい、スプリントやリーレーの技術論を分かり易く文章にちりばめ、そしてレース前の心のさざ波などを妙に押さえている。
100mという短い距離でも、いろいろなレース展開があるし、リーレーバトンなどは、駅伝のタスキを繋ぐのとはまた違って、心も技術も大きな連帯が占めているのが改めて分かる。

萩往還から2週間ほど走っていないのだが、明日にでも思いっきり走りたくなってきた。