一回目の東京マラソンが開催されたのが2007年2月になる。
おそらくこの年を起点としてマラソンブームといわれるものが始まり、そのブームが終焉することなく、今も大きなうねりとなって続いている。
それでも走っていない人は大勢いるわけで、わたしが18年に渡り走り続けていくなかで、様々な人から何度となく聞かれたことがある。
それは「走っていて何が楽しいの?走っている時は何を考えているの?」

特に答えを求めていない人には、面倒くさいので、何も考えていません、ということにしている。
それでもさらに聞いてきたら、私にとって走るのは呼吸をするのと同じ、あなたねぇ、息をする時にいつも楽しいなって思ってますか、何を考えていますって?仕事のこととか家庭のこととか日本国家のこととか考えることもあるでしょう、でもね、何も考えていない時も多々ありますよ。
私にとっては走ることは呼吸することと同じなんですから。
だから、どうしても走る時間が確保できないと呼吸困難に陥るように体が変調をきたします。
怒りっぽくなるし、理路整然とした思考が出来なくなります。
それでも義務みたいに走っているわけじゃないですよ、だって誰も義務で息はしていませんからね。
そう、だから、ぜひ、わたしに走る時間をくださいね、とお茶を濁すことにしている。

実際、前述したようなことを考えることは多々あるが、おそらく最も多くの時間は、足をここに置いて良いのか?蹴りだしはどうだったか?重心バランスは?腕ふりは?一歩一歩踏み出すたびに考えている自分がいる。
ここがランニングが考えるスポーツと云われる所以だと思う。

ちなみに、走る距離もよく聞かれる。
平日の夜は近くの公園を6kmほど、土日などレースがないときには10~20kmほど走っていると答える。
ふだん、走っていない人は、びっくりする距離かもしれないが、けしてそんなに長い距離ではない。
そしてこう言う「10kmも走るんですか、スゴイ!私なんか歩いても真似出来ません!」
おいおい比較になっていないよ。
わたしだって真似できません、10kmも歩くなんて考えられない、わたしだって苦痛です。
だから、走るほうがはるかに楽なんです、そして楽しいんですよ。