昨秋、訪ねたときのものがこれだ。
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そして、ぜひ、冬にと思い再び訪れることができた。

タウシュベツ川橋梁は、十勝北部の森林資源の開発などのために1937年に作られた旧国鉄士幌線のなかのアーチ橋だ。
その後、ダムの建設により1955年より放置されてきた。

糠平ダムは水力発電のダムで、電力の需要期である冬場は凍結した湖面が沈み、橋が姿を現す。
そして水位が上昇し始める5月頃から橋が沈み始め、夏過ぎには湖底に沈むため、幻の橋ともいわれている。
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旧国鉄士幌線のアーチ橋はいくつもあるが、タウシュベツ川橋梁だけはダムという人工的な要因により使われなくなったため、文化財にはならない。
冬の凍った湖面の氷が、ダムの水位の低下とともに落ちていく、その衝撃を毎年受けながら、徐々に朽ちていくしかない。
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凍った糠平湖の湖面をスノーシューで行く、軌跡を地図上に落とすとまさに湖のなかだった。
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橋脚の下部は無筋コンクリートだそうだ。
アーチ構造と相俟って美しく強い。

特に保存されることなく朽ちていくこの橋をまた訪ねてみたいと思っている。