日経朝刊の連載小説「望郷の道」が、409回目の今日終わった。
前々回の渡辺淳一「愛の流刑地」は、色恋のことが中心で、満員電車の中で朝刊を読んで、一日のテンションを上げていく自分には全くあわず、前回のチンギ
ス・ハンを描いた堺屋太一の「世界を創った男」は、作者が嫌いという先入観もあり、また登場人物の多さ、カタカナ名の多さで読みずらくてしょうがなかっ
た。
この「望郷の道」は、北方謙三が自らの曾祖父のことを書いたもので実話となっている。主人公は、福岡で水運業をやっている家の三男「小添正太」と 佐賀で賭場をやっている「藤るい」の波乱万丈の物語になっている。北方謙三の本は、なんとなく敬遠していて一冊も読んだことはなかったのだが、この小説は とても面白かった。
男にも女にもそれぞれの品格があって、それをわきまえた世界があった。侵してはならない領分があって、それが暗黙知となっている。今の世の中、平気な顔して土足で人の心を踏みにじっていく普通の人が多すぎる、そんなことを改めて感じた。
そうそう、この小説に出てくる、キャラメルやドロップ、新高製菓だそうで、そいいえば、子供のころ新高ドロップを舐めたことがあるような気がする。
さぁ、明日からは高樹のぶ子の「甘苦上海(がんくうしゃんはい)」の連載が始まる、期待してよいのかどうか?
どうか、朝のテンションがあげられるように。
「望郷の道」は、そのうちに単行本化されるだろうが、あらすじはこちらのサイトからも読めるので、ぜひ一読を。
http://www.nikkei.co.jp/honshi/20080730tab7u000_30.html